ATM改修編(後編)
元JAバンクATMの防水工事や電気工事を終え、どういった建物に改修するかを「日和佐 発心の会」の会員で話し合って方針を決めていきました。
ATM改修の目的は薬王寺周辺に地域のお店を紹介するギャラリーを設けることで薬王寺の参拝客を桜町通りに誘導することなので、
・地域を映像で紹介する映像コーナー
・地域を地図で紹介するマップコーナー
・地域のパンフレットを設置するパンフレットコーナー
の3つのコーナーを設けることにしました。
さらに建物周辺の人の流れや、薬王寺温泉との位置関係を考えてそれぞれのコーナーが
どのように配置されると人を内部に誘い込みやすいかを考えました。
計画としては新設の壁で入れ子状の展示空間をつくり、建物内部に入ると3つのコーナーが連続的に繋がった展示に囲われるというものです。
改修の方針が決まったので、実際に作業を開始しました。
まずは壁の下地を設置して、壁の取り付け作業を行いました。
次に壁の塗装作業に取り掛かりましたが、全く綺麗には仕上がらなかったためご実家が建材屋の観光協会の徳永さん(かめたろう)にご指導をいただきました。
写真は徳永さんに粉パテの使い方を教わっているところで、粉パテで壁の凹凸を消した後はペイントローラーで塗料を塗っていきました。
徳永さんのおかげで綺麗に塗装をすることができました。
次にカッティングシートでマップを作ったり、パンフレット置き場を作りました。
内装作業を終えた後は、季節によって表情が変わる場所を目指して外構計画を行なっていきました。
ATMの持ち主はガーデニングが趣味なので倉庫のまわりに御影石を設置して持ち主の花壇のスペースを設けました。
角のない楕円形の輪郭に石を並べることで、持ち主が躓かないようにしました
花壇を設置した後は持ち主のおかげであっという間に花が咲き誇っていて、さらに花壇と歩道の間にかかっていたチェーンも外していただきました。このように自分のものを開くという活動が積極的に行われると地域がよりおもしろくなるんだと感じました。
こうやって4ヶ月に及ぶ作業がようやく終わり、2021年2月11日に開所式を行い正式にATMがオープンしました。
ちなみに建物の名称は元JAバンクのATMだったことから、「Art Tourism Museum 373」(通称:ATM)に決まりました。
オープンしてからは地域の人たちの要望や意見を反映させていくことで、より地域から愛される施設になるように日々建物の設えを更新しています。