ウミガメマスク販売開始
初回販売用のマスクが完成したのは2020年8月ごろでした。
その時期になると既に不織布のマスクは日本中どこででも手に入るし、布マスクはよくお店で見かける商品となっていました。
こういった状況で「ウミガメの絵が描かれたマスクです」って販売してもなかなか売れないだろうなと思ったので、
「ウミガメの絵」が描かれたマスクにしかない価値を考えてみることにしました。
そこで思いついたのが、ウミガメは「長寿の象徴」だということです。
つまり、「ウミガメは長寿の象徴なので祖父母のプレゼントにぴったりです」という情報をお客さんにうまく伝えることで、その他のマスクにはできない特別な体験をすることができるという商品価値が生まれるのではないかと思ったわけです。
そういう発想を軸にして、販売に向けたブランディングが開始しました。
美波町には四国八十八ヶ所第23番霊場であり、厄除根本御祈願所として全国的にその名を知られている薬王寺というお寺があります。
完成したマスクは薬王寺に厄除御祈祷をしていただき、薬王寺の神様の「不安定な世の中でも無事に過ごせるように」という願いが込められました。
次にマスクの包装について検討を行いました。
プレゼントとしてお渡しする際の高級感の演出や、薬王寺で厄除されていることが感じられる装いを持たせるためにマスクは桐箱に入れて熨斗を巻いて包装し、名称を「厄除御祈祷済 ウミガメマスク」にしました。
このように、
・ウミガメ
・道の駅日和佐
・橋本シャーン
・黒岩縫製株式会社
・薬王寺
といった美波町の地域性が、マスクをより魅力のある商品へと高めていきました。
そのような美波町の地域の魅力がたくさん含まれた「ウミガメマスク」を多くの人たちに知っていただきたいと思い、
美波町で地域づくりを行っている神奈川大学曽我部・吉岡研究室にご協力していただき、
阿波尾鶏中華そば藍庵のギャラリーで「ウミガメマスク」を紹介する展覧会を開催しました。
また新聞やテレビでも取材していただきました。
テレビの放送日が「敬老の日」の前だったので、「ウミガメは長寿の象徴なので、敬老の日のプレゼントにピッタリ」といったコメントをしました。
販売に向けた商品のブランディングや広報活動が上手くいったためか、道の駅日和佐と日和佐うみがめ博物館カレッタでの「ウミガメマスク」の販売は順調な売れ行きでスタートしました。
さらに販売を始めて少し経った時には日和佐診療所の職員の方から「診療所の受付にウミガメの絵の暖簾を取り付けたい」という依頼がありました。
あらためて橋本シャーンさんのご親族にそのお話をお伝えしたところ、「どうぞ自由に楽しくやってください」とのことでした。
毎度のことながら、本当に感謝しかありません。
ウミガメの絵の使用許可が取れてからは黒岩縫製株式会社と協力をして暖簾の製作を行い、
診療所の受付に「ウミガメノレン」として取り付けを行いました。
「ウミガメマスク」の商品開発を通じて、美波町の地域固有のデザインの魅力をたくさんの人たちに知ってもらうことができたのは非常に良かったと思っています。
今後とも地域の方から依頼があれば、橋本シャーンさんが描かれた「ウミガメの絵」を使った新たなプロダクト開発をしていきたいなとも考えておりますので、何かあれば気軽にお話しください。