ウミガメマスク製作過程
橋本シャーンさんのご親族から「ウミガメの絵」の使用許可をいただき、
まずは布マスクの効果について調べてみることにしました。
調べていくと、感染予防という点では布マスクはかなり厳しいとのことでした。
理由は色々あって、
・ウイルスの大きさは約0.1μ
・ガーゼは繊維の隙間の大きさが約500μ(ウイルスの約5000倍)
・不織布は繊維の隙間の大きさが約5μ(ウイルスの約50倍)
・顔とマスクの隙間からウイルスが入ってくる(顔にマスクを完璧にフィットさせることは至難の技)
などといった理由で、
つまり、ウイルスはめちゃくちゃ小さいから、布マスクをしたとしても簡単に通り抜けるというわけです。
ただ布マスクは感染予防には全く効果がないわけではなくて、
主に以下の3つの効果が期待できるそうです。
・鼻や喉の粘膜を保湿・保温してウイルスの感染を防ぐこと
・ウイルスのついた手で直接鼻や口を触らないようにすること
・唾液などの大きな飛沫を飛ばさないこと
そういうことから、できるだけ感染予防に効果的なマスクのデザインを念頭に製作を開始しました。
マスクの生地は繊維の隙間の比較的小さい不織布を真ん中にして、外側はプリント生地のシルクコットン、内側は保湿・保温効果の高いガーゼの三層構成にしました。
次に、マスクの形状とプリントの検討を行っていきました、
形状を考えるにあたって最も重要だったのは、
・顔とマスクの間にできるだけ隙間が生まれないようにすること、
・マスクの表面の継ぎ目を小さくして「ウミガメの絵」が損なわれないようにすることです。
色々な縫い方を試しましたが、
マスク中央の上下を縫って立体を作る方法によって、最も理想の状態に近い形ができました。
最後に、その形に「ウミガメの絵」をどのようにプリントするかを考えました。
はじめはウミガメが、どういった配置ならおもしろい柄ができるかを考えていましたが、
「道の駅日和佐」の包装紙に描かれたまんまで生地にプリントアウトして、
それを裁断して作ると一枚一枚が全て異なった絵のマスクになることに気がついてたため、その方針を採用しました。
デザインの方向性が決まったので、
桜町通りにある「黒岩縫製株式会社」という縫製工場に手縫いで作ったマスクのプロトタイプをお見せして、製作のお願いをしました。
黒岩縫製には製作を快くお引き受けしていただき、
型紙を使って細かなデザインの検討を一緒に進めていきました。
検討が終わったところで、REALFABRICで注文したプリント生地がタイミングよく届いたので、
まずはマーケティングテスト用のマスク50枚の製作をお願いしました。
完成したマスクがこちらです。
流石に縫製のプロだけあって、手縫いで製作したものとは比べ物にならない完成度でした(笑)
完成した50枚のマスクは、
「日和佐 発心の会」の会員や桜町通りの住民などにお配りして、意見を伺いながら、さらにデザインの改良を行いました。
そういった地道な作業を経て、
ようやく地域の人たちが納得するマスクが完成し、販売に向けた新たにスタートをしました。